厚生労働省
平成24年度 老人保健事業推進費等補助金老人保健健康増進等事業
地域における親族後見支援の試み
本事業の主要な目的は、主に次の2点である。 まず第一に、親族後見の実務について、特に地域における親族後見人に対する支援の現状という観点からの把握を試みることにより、親族後見における実務上の諸問題の概要を明らかにし、さらにその課題の解決のために必要とされる方策を提示することである。 第二に、当プロジェクト(東京大学市民後見研究実証プロジェクト)ならびに後見に関連する各支援機関により、親族後見人に対して専門的助言・指導等を行うことによって、親族後見人が抱えている実務上の諸問題の解決と活動内容の改善をはかることである。 以上の目的のもと、本事業ではそれぞれ次のような調査・支援活動を行った。 まず、親族後見人への地域支援の実態に関する調査・分析が実施された。 親族後見人に対する地域的支援の実態を具体的に把握するために、親族後見に関する各種のデータに基づく分析を行った。その具体的な調査項目は、①後見に関する制度や地域社会資源等の理解水準、②周囲の人々による支援状況、③地域の各機関による支援状況、④家庭裁判所による支援状況、⑤後見監督人による支援状況、であった。そしてこれらのデータを基に、親族後見の特徴をより明確にするために、第三者後見のケースと比較・検討しながら、親族後見への支援に関する計量的な分析を行った。 また上記の調査に並行して、当プロジェクトでは、親族後見人に対する具体的な支援活動を展開し、同時に後見人への支援を行っている諸機関と連携しこれをサポートする活動を行った。 本支援活動においては、親族後見人がその後見業務を適切かつ不自由なく行うことができるように、後見に関する専門的な知見を有する諸機関が親族後見人に対して対話・助言・指導等のサポートを行うことを通じて、その業務上の諸課題の解決を促した。
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